株で50億円稼ぐことは本当に幸せなことなのか?
色々考えさせられる本だゾウ。
7月に発売された本「50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え」。
50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え(ダイヤモンド社の書籍紹介ページ)
https://www.diamond.co.jp/book/9784478121504.html
日本株投資をやっていて「バリュー投資」に興味を持った人は必ず読んでおいたほうがよい本です。
こう書くと、投資本だ、私には関係ないと思った方も多いでしょう。
しかし、この本は投資本だけど人生について色々考えさせられることが多い、投資をやっていなくても読んでほしいと思える本。
日本株やその他への投資で50万円をなんと50億円まで増やした著者「たーちゃん」。
自ら「自分には才能はない」と言うが独自の手法を確立してそれを貫き通している姿はそれ自体が才能かもしれないが。
素晴らしい人生が続くと思っていた矢先、がんを発症して49歳でそのがんが転移してしまう。
主治医からは「50歳は迎えられても51歳はわからない」と宣告されたという。
病気になるまで本を書く気は全くなかったが、愛する娘2人に自分の投資技の全てを残したいと渾身の力で執筆。
それがこの本だ。
「50万円を50億円に増やした」という、いかにも書店で人が手に取りそうな題名となってはいるが中身は本格的な手法を事細かに説明しているまさに投資の教科書といってもよい内容。
そのやり方は一言でいうと「非常に面倒」。
読んだ人も10人いたら1人くらいは始めようかとなると思うが、書いてある内容を完全にやり遂げる人は現れるのかというくらい面倒で大変そうな方法が書いてあります。
しかし、書いてある内容の一部分、ほんの少しの箇所でも真似したり参考にすれば確実に勝率は上がるのではないかなと思える内容でした。
例えば222ページ、高齢者の株の買い方の話。
まさに私もこの「やや遅めにやって来る高齢者の買い」を期待して、早めに四季報を読み高配当銘柄を先回り買いしたりします。
そうして待っていると、あとで来る高齢者の買いによって株価が上がってくれる。
私がやっている狙いがそのまま書かれていたので、さすがというしかない。
246ページの「あえて手打ちする」「紙に書く」も共感した。
例えば今はExcelの表にボタン1つで自動的に株価情報を反映したりできるが、私は自分の手持ち株の株価をExcelに手打ちすることを続けています。
「タイパ」重視のこの時代にそれ何の意味があるの?と若い人は思うかもしれない。
しかし、やってみたらわかるんだよね、毎日株価を手打ちして日足チャートを眺めていたら色々なことに気づく。
それが長い年月であればあるほど気づきが多くなる。
タイパを重視している人にはこの感覚は一生わからないかもしれない。
でも私は大事だと思ってます。
286ページの集中投資のやり方も参考になる。
新NISAができたのもあり分散投資がもてはやされる時代だが、それでもここ一番の集中投資って大事だと思う。
私はそれがうまくないのでお金があまり増えてないけど、いつか出来るようになりたいと思って修行してます。
投資の教科書として非常に質の高いこの本ですが、やはり一番気になるのは「生き方」の話。
50億円稼ぐことが本当に幸せなことなのか?私は自問自答しました。
それだけ稼ぐにはものすごい量の努力や時間が必要。
そこまで頑張ったにもかかわらず、末期がんを宣告されたらもし自分ならどうする?
私は結婚しなかったので娘はいないけど、それだけ投資のためにかけた時間をもっと娘との時間に使えばよかったのでは?
きっとそう考えると思う。
そこまで考えて私は「株で50億円稼ぐことは本当に幸せなことなのか?」ってなった。
だからこの記事の題名にさせてもらった。
皆さんもこの本を読んで人生について考えてみてはいかがでしょうか。
もちろん日本株投資をするための教科書としても一級品の出来なのでぜひ。
「今日の芹沢リンク」
このコーナーでは私、NAS芹沢が気になったネット上の情報を1日1件、紹介します。
今日のリンクはこれ。
『たーちゃん@バブルおじさん』(Xアカウント)
https://x.com/yhdgj675
本の著者、たーちゃん氏のX(旧Twitter)アカウントです。
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